第二十一課 福(ふく)井(い)県(けん)
福井県は中部地方の西部に位置しています。全体に山がちな地形で、総面積の約75%は森林が占めています。京都府・滋(し)賀(が)県・岐(ぎ)阜(ふ)県・石(いし)川(かわ)県という四府県と接していますが、北部から北東部にかけての地域は日本海に面しています。岐阜県との県境付近を源流とする九(く)頭(ず)竜(りゅう)川(がわ)は、福井県の北部を通って日本海に流れ込んでいます。そして河口付近を中心に、平野を形成しています。これが福井平野です。福井県の県庁所在地である福井市は、この平野の中に位置しています。南西部の海岸線は大きく湾(わん)曲(きょく)し、若(わか)狭(さ)湾と呼ばれる湾を形成しています。この若狭湾は、さらにいくつかの湾に分かれています。その中で最も北側に位置しているのが敦(つる)賀(が)湾です。この敦賀湾から滋賀県との県境にかけての地域に、周囲よりやや高くなっている場所があります。この高台は木(き)ノ芽(め)峠(とうげ)と呼ばれています。この木ノ芽峠を境にして、福井県は大きく二つの地域に分かれています。このうち、木ノ芽峠から北の地域は「嶺北地方」と呼ばれていて、福井県の約74%にあたる地域がこの嶺北地方に含まれています。県庁所在地の福井市もこの地域の中にあります。一方、木ノ芽峠から南西の若狭湾沿岸部に当たる地域は「嶺南地方」と呼ばれています。 福井縣位於中部地方的西邊。整體是多山的地形,總面積森林占了百分之七十。與京都府、滋賀縣、岐阜縣、石川縣四府縣相鄰接,從北部到東部一帶面臨日本海。在岐阜縣的縣境附近,源流自此的九頭龍川,穿過福井縣的北部,流入日本海。因此在河口附近的中心處,形成了平原。這就是福井平野。有福井縣的縣廳所在地福井市,位於平野當中。西南邊的海岸線大而彎曲,有被叫若狹灣的海灣形成。這個若狹灣更進一步分成幾個海灣。在它們當中位於最北邊的是敦賀灣。從這個敦賀灣到滋賀縣的縣境一帶地區,有比周圍的地區稍稍高出一些。這個高台被稱為木之芽峠。在這個木之芽峠的境內,福井縣化分為二個大的區域。當中木之芽峠以北的地區被稱為「嶺北地方」,相當於福井縣大約百分之七十四的地區,包含在嶺北地方。縣廳所在地的福井市也在這個地區之中。另一方面,相當於從木之芽峠西南的若狹灣沿岸部分,被稱為「嶺南地方」。
嶺北地方は、他の北陸地方の県との結びつきが強いため、この地域の住民は「北陸地方に属している」と感じている人が多いと言われています。一方の嶺南地方は近畿地方との結びつきが非常に強い地域です。このような状況になってしまったのは、歴史的な経(いき)緯(さつ)に原因があるのです。もともと嶺北地方と嶺南地方は、別々の地域に属していますたが、政治的な理由で一つの県にさせられてしまいました。あまり交流がなかった二つの地域は、同じ県になった後も、それまで属していた地域との結びつきが強いまま、現在に至ってしまったのです。インフラも福井市を中心とした地域を優先して整備されたため、嶺南地方は後回しにされているという印象派否めません。こうした現状は、嶺南地方の住民に不公平感を与えているに違いありません。福井県ができてから、すでに100年以上経っていますが、嶺南地方の中には福井県からの分離を主張する地域すら存在しています。この本の中では、福井県を北陸地方に属しているとしてご紹介しています。しかし実際には、福井県の北部は北陸地方に属しているものの、南西部は近畿地方の一部だと考えたほうがいいのかもしれません。 由於嶺北地方和其他北陸地的縣連結性很強,大家都說這個地區的區民,感到「屬於北陸地方」的人很多。另一面嶺南地方和近畿地方的連結性非常強的地區。之所以會形成像這般的狀況,有著歷史的來龍去脈的原因。原本嶺北地方和嶺南地方,分屬於各別的地區,但是因為政治的理由,被強制合而為一。兩個不太交流的地區,成為相同的縣分之後,照舊和原來所屬的地區連結性強。直到現在仍是如此。因為以福井市為中心的地區,公共建設被優先準備處理的原因,不可否認的是嶺南地方有被往後移的印象。這個現狀給與嶺南地方的區民,感到不公平的感覺是不會錯的。之後福井縣,已經過了一百年以上,非但嶺北地方和嶺南地之間的鴻溝沒有被解除,甚至還有主張嶺南地方從福井縣分離出來的地區存在。在這本書中介紹福井縣屬於北陸地方。但是實際上,福井縣的北邊雖然屬於北陸地方,或許想成是近畿地方的一部分會比較好。
福井県は日本海側気候に属しています。特に嶺北地方は、一年を通じて曇(どん)天(てん)の日が多く、冬季には山間部を中心に大量の雪が降る典型的な「北陸型」です。これに対して、嶺南地方は比較的温暖なため、冬でも雪より雨が降ることのほうが多く、またその量もそれほど多くありません。これは日本海側気候の中でも「山(さん)陰(いん)型(がた)」と呼ばれている気候の特徴です。 福井縣屬於日本海側的氣候。尤其是嶺北地方,一整年陰天的日子很多,在冬天山間部分的中心,降下大量的雪是典型的「北陸型」氣候。與此相對的是,嶺南地方因為比較溫暖,即使在冬天比起降雨會比降雪來的多,還有它的降雪量並不多。這是日本海側氣候當中,被稱為「山陰型」的氣候特徵。
福井県は繊維産業が盛んな地域です。かつては羽(は)二(ぶた)重(え)と呼ばれる絹(きぬ)織(おり)物(もの)が盛んでしたが、現在では生産の中心は合成繊維になっています。また機械の生産も盛んで、さまざまな製造用の機械が生産されていることで知られています。特に嶺北地方に位置している鯖(さば)江(え)市(し)は、「日本国内で生産されている眼鏡フレームの約90%を生産している」といわれるほど、眼鏡フレームの生産が盛んな地域です。 福井縣是纖維產業興盛的地區。在過往被稱為羽二重 (純白的絲稠) 的絹織品非常盛行,現在成為生產合成纖維的中心。以及機械的生產也很興盛,以生產各種製造用的機械而聞名。尤其是位於嶺北地方的鯖江市,大家都說「在日本國內大約有百分之九十的鏡框被生產」,是鏡框生產興盛的地區。
福井県はまた、全国有数の米の産地として知られている県でもあります。特に高級米「コシヒカリ」の山地として有名な反面、それ以外の農作物の生産はあまり盛んではありません。 福井縣還是全國數一數二的,作為米的產地聞名的縣份。尤其是以高級米「越光米」的產地而出名,另一面,除此之外農作物的生產並不太興盛。
福井県の水産物としては「越前がに」が有名で、「福井県の冬の味覚を代表する食べ物だ」と言っても差し支えないほど、全国的にしられています。この他、イカやカレイの漁も盛んです。 福井縣的海產以「越前蟹」聞名,作為「福井縣冬天味覺的代表食物」,即使這麼說的話也無妨,在全國廣為人知。其他,也盛產烏賊和鰈魚。
越(えつ)山(ざん)若(じゃく)水(すい)というのは、福井県の美しい自然を表現した言葉です。「越山」は嶺北地方の山々を指し、「若水」は嶺南地方の海岸を指しています。「若」とは、すなわち「若狭湾」のことです。嶺北地方には、一年間に100万人もの観光客が訪れる永(えい)平(へい)寺(じ)という有名なお寺があり、また美しい海岸線が続く若狭湾も、日本海側有数の景(けい)勝(しょう)地(ち)として有名です。観光業は、福井県の経(けい)済(ざい)を支(ささ)える、重要な産業の一つなのです。 所謂的越山若水,是表現福井縣的美麗的自然風光的說法。「越山」是指嶺北地方的群山,「若水」是指嶺南地方的海岸。所謂的「若水」,也就是說「若狹灣」。在嶺北地方,一年當中,有一百萬人之多的觀光客拜訪,有叫做永平寺出名的寺院,還有美麗連綿的海岸線若狹灣,以日本海側數一數二的風景名勝而聞名。觀光業支撐著福井縣的經濟,成為重要的產業之一。
福井県は中部地方の西部に位置しています。全体に山がちな地形で、総面積の約75%は森林が占めています。京都府・滋(し)賀(が)県・岐(ぎ)阜(ふ)県・石(いし)川(かわ)県という四府県と接していますが、北部から北東部にかけての地域は日本海に面しています。岐阜県との県境付近を源流とする九(く)頭(ず)竜(りゅう)川(がわ)は、福井県の北部を通って日本海に流れ込んでいます。そして河口付近を中心に、平野を形成しています。これが福井平野です。福井県の県庁所在地である福井市は、この平野の中に位置しています。南西部の海岸線は大きく湾(わん)曲(きょく)し、若(わか)狭(さ)湾と呼ばれる湾を形成しています。この若狭湾は、さらにいくつかの湾に分かれています。その中で最も北側に位置しているのが敦(つる)賀(が)湾です。この敦賀湾から滋賀県との県境にかけての地域に、周囲よりやや高くなっている場所があります。この高台は木(き)ノ芽(め)峠(とうげ)と呼ばれています。この木ノ芽峠を境にして、福井県は大きく二つの地域に分かれています。このうち、木ノ芽峠から北の地域は「嶺北地方」と呼ばれていて、福井県の約74%にあたる地域がこの嶺北地方に含まれています。県庁所在地の福井市もこの地域の中にあります。一方、木ノ芽峠から南西の若狭湾沿岸部に当たる地域は「嶺南地方」と呼ばれています。 福井縣位於中部地方的西邊。整體是多山的地形,總面積森林占了百分之七十。與京都府、滋賀縣、岐阜縣、石川縣四府縣相鄰接,從北部到東部一帶面臨日本海。在岐阜縣的縣境附近,源流自此的九頭龍川,穿過福井縣的北部,流入日本海。因此在河口附近的中心處,形成了平原。這就是福井平野。有福井縣的縣廳所在地福井市,位於平野當中。西南邊的海岸線大而彎曲,有被叫若狹灣的海灣形成。這個若狹灣更進一步分成幾個海灣。在它們當中位於最北邊的是敦賀灣。從這個敦賀灣到滋賀縣的縣境一帶地區,有比周圍的地區稍稍高出一些。這個高台被稱為木之芽峠。在這個木之芽峠的境內,福井縣化分為二個大的區域。當中木之芽峠以北的地區被稱為「嶺北地方」,相當於福井縣大約百分之七十四的地區,包含在嶺北地方。縣廳所在地的福井市也在這個地區之中。另一方面,相當於從木之芽峠西南的若狹灣沿岸部分,被稱為「嶺南地方」。
嶺北地方は、他の北陸地方の県との結びつきが強いため、この地域の住民は「北陸地方に属している」と感じている人が多いと言われています。一方の嶺南地方は近畿地方との結びつきが非常に強い地域です。このような状況になってしまったのは、歴史的な経(いき)緯(さつ)に原因があるのです。もともと嶺北地方と嶺南地方は、別々の地域に属していますたが、政治的な理由で一つの県にさせられてしまいました。あまり交流がなかった二つの地域は、同じ県になった後も、それまで属していた地域との結びつきが強いまま、現在に至ってしまったのです。インフラも福井市を中心とした地域を優先して整備されたため、嶺南地方は後回しにされているという印象派否めません。こうした現状は、嶺南地方の住民に不公平感を与えているに違いありません。福井県ができてから、すでに100年以上経っていますが、嶺南地方の中には福井県からの分離を主張する地域すら存在しています。この本の中では、福井県を北陸地方に属しているとしてご紹介しています。しかし実際には、福井県の北部は北陸地方に属しているものの、南西部は近畿地方の一部だと考えたほうがいいのかもしれません。 由於嶺北地方和其他北陸地的縣連結性很強,大家都說這個地區的區民,感到「屬於北陸地方」的人很多。另一面嶺南地方和近畿地方的連結性非常強的地區。之所以會形成像這般的狀況,有著歷史的來龍去脈的原因。原本嶺北地方和嶺南地方,分屬於各別的地區,但是因為政治的理由,被強制合而為一。兩個不太交流的地區,成為相同的縣分之後,照舊和原來所屬的地區連結性強。直到現在仍是如此。因為以福井市為中心的地區,公共建設被優先準備處理的原因,不可否認的是嶺南地方有被往後移的印象。這個現狀給與嶺南地方的區民,感到不公平的感覺是不會錯的。之後福井縣,已經過了一百年以上,非但嶺北地方和嶺南地之間的鴻溝沒有被解除,甚至還有主張嶺南地方從福井縣分離出來的地區存在。在這本書中介紹福井縣屬於北陸地方。但是實際上,福井縣的北邊雖然屬於北陸地方,或許想成是近畿地方的一部分會比較好。
福井県は日本海側気候に属しています。特に嶺北地方は、一年を通じて曇(どん)天(てん)の日が多く、冬季には山間部を中心に大量の雪が降る典型的な「北陸型」です。これに対して、嶺南地方は比較的温暖なため、冬でも雪より雨が降ることのほうが多く、またその量もそれほど多くありません。これは日本海側気候の中でも「山(さん)陰(いん)型(がた)」と呼ばれている気候の特徴です。 福井縣屬於日本海側的氣候。尤其是嶺北地方,一整年陰天的日子很多,在冬天山間部分的中心,降下大量的雪是典型的「北陸型」氣候。與此相對的是,嶺南地方因為比較溫暖,即使在冬天比起降雨會比降雪來的多,還有它的降雪量並不多。這是日本海側氣候當中,被稱為「山陰型」的氣候特徵。
福井県は繊維産業が盛んな地域です。かつては羽(は)二(ぶた)重(え)と呼ばれる絹(きぬ)織(おり)物(もの)が盛んでしたが、現在では生産の中心は合成繊維になっています。また機械の生産も盛んで、さまざまな製造用の機械が生産されていることで知られています。特に嶺北地方に位置している鯖(さば)江(え)市(し)は、「日本国内で生産されている眼鏡フレームの約90%を生産している」といわれるほど、眼鏡フレームの生産が盛んな地域です。 福井縣是纖維產業興盛的地區。在過往被稱為羽二重 (純白的絲稠) 的絹織品非常盛行,現在成為生產合成纖維的中心。以及機械的生產也很興盛,以生產各種製造用的機械而聞名。尤其是位於嶺北地方的鯖江市,大家都說「在日本國內大約有百分之九十的鏡框被生產」,是鏡框生產興盛的地區。
福井県はまた、全国有数の米の産地として知られている県でもあります。特に高級米「コシヒカリ」の山地として有名な反面、それ以外の農作物の生産はあまり盛んではありません。 福井縣還是全國數一數二的,作為米的產地聞名的縣份。尤其是以高級米「越光米」的產地而出名,另一面,除此之外農作物的生產並不太興盛。
福井県の水産物としては「越前がに」が有名で、「福井県の冬の味覚を代表する食べ物だ」と言っても差し支えないほど、全国的にしられています。この他、イカやカレイの漁も盛んです。 福井縣的海產以「越前蟹」聞名,作為「福井縣冬天味覺的代表食物」,即使這麼說的話也無妨,在全國廣為人知。其他,也盛產烏賊和鰈魚。
越(えつ)山(ざん)若(じゃく)水(すい)というのは、福井県の美しい自然を表現した言葉です。「越山」は嶺北地方の山々を指し、「若水」は嶺南地方の海岸を指しています。「若」とは、すなわち「若狭湾」のことです。嶺北地方には、一年間に100万人もの観光客が訪れる永(えい)平(へい)寺(じ)という有名なお寺があり、また美しい海岸線が続く若狭湾も、日本海側有数の景(けい)勝(しょう)地(ち)として有名です。観光業は、福井県の経(けい)済(ざい)を支(ささ)える、重要な産業の一つなのです。 所謂的越山若水,是表現福井縣的美麗的自然風光的說法。「越山」是指嶺北地方的群山,「若水」是指嶺南地方的海岸。所謂的「若水」,也就是說「若狹灣」。在嶺北地方,一年當中,有一百萬人之多的觀光客拜訪,有叫做永平寺出名的寺院,還有美麗連綿的海岸線若狹灣,以日本海側數一數二的風景名勝而聞名。觀光業支撐著福井縣的經濟,成為重要的產業之一。
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