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2013年9月16日 星期一

日文電子繪本:聴き耳ずきん (聽得見的頭巾)

文章日期:2012-05-11 08:30
あるとき、ひとりの男が海辺を [範圍] 通りかかりました。  有一天,一個男子偶然路過海邊。  (通りかかる ちょうどそこを通る,正好通過那裡。)

すると、小さなタイが一びき、浅(あさ)瀬(せ)で体(からだ)をパタパタとさせて、苦しんでいるのを見つけました。  然後,發現了一隻小的鯛魚,在海灘上啪嗒啪嗒地擺動著身體,看起來正痛苦的掙扎。  (あさせ  [浅瀬]  川や海などの浅い所,河和海等的淺處、見つける  發現;找到)

きっと、大きな魚にでも追われて [被動]逃げて来たのでしょう。  必定是,被大魚追,逃來這裡的吧。

そんなところにいては、欲の深い人にでも [提示] 見つかったら、料理されてしまうよ。さぁ、深いところに逃がしてあげるから、早くうちに [趁著] 帰りなさい」  「在這樣的地方,要是被有心人看到的話,會被抓去煮掉喔。來,逃到深一點的地方去,趁早快點回去吧」

そういって、男はタイを深いところへ持って行って、海へ逃がしてやりました。  這麼說著,男子拿著鯛魚往深的地方走,讓牠往海裡逃走了。

その男は、  那個男子說,

「きょうは、ひとつ、良いことをしたな」  「今天,做了一件好事哪」

と喜んで、どんどんと歩いて行きますと、後ろの方から、   歡喜地說,當咚咚地踏著大步走時,從後方傳來,

「もし、もし」  「喂、喂」

と、呼び止められました。  呼叫他停下來。

振り向いてみると、とても美しい女のひとでした。  一回頭看時,是一位非常美麗的女子。

「いやぁ、おれは、あんなにきれいな女の人は、見たことがない。きっと、ひと違いだろう」  「不會吧,俺從沒看過,如此美麗的女人,一定是弄錯人了」

と思って、また歩き出しました。  這麼覺得,又走了出去。

するとまた、  然後又,

「もし、もし、ちょっとお待ちください」  「喂、喂,請等一下」

と、女の人が呼び止めました。  女人呼叫著停下來。

男は立ち止って振る向くと、  男子站著回過頭時,

「俺のことかい」  「是我嗎?」

と尋ねました。  問著。

「はい、さようでございます」  「是的,請留步。」  (這句是猜的,因為查不到意思。)

と、その女の人は、ていねいな口(く)調(ちょう)で言いました。  那個女人,用客氣地語調說。  (くちょう  [口調]  1. 語調;聲調  2. 腔調。)

「わたしは、竜宮の王様の使いでまいりました。さきほど、竜宮のひとり娘が、命のあぶないところを、あなたに助けていただきました。それで、王さまがおれを申しあげたいからぜひ、あなたを竜宮へお連れして来いと言われました。とうか、わたしといっしょに、竜宮へおいでください」  「我是龍宮國王的侍女。先前,龍宮的一個女兒,在性命危急時,接受了您的幫助。因此,國王要我向您致謝,說無論如何要帶您前往龍宮。請您和我一起,到龍宮去吧」 

そういうと、深々とお辞(じ)儀(ぎ)をしました。  這麼一說,深深地一鞠躬 (行大禮) 。

男は、  男子說,

「竜宮というのは、海の底にある御殿のことでしょう。おれは泳げないから、そういうところには、行けませんよ」  「叫做龍宮,是在海底的宮殿吧。因為我不會游泳,沒辦法到那個地方去的」

と、断(ことわ)りました。  說著,拒絕了。  (ことわる  [断る]  <他動五>(ことわって)1. 拒絕;謝絕  2. 事先說明;事先通知  <名> 断り。)

すると女のひとは、  於是這個女子說,

「いいえ、少しも心配することはありません。私の背中に乗ってくださればお連れ申します。わたしは、クラゲです」  「沒關係,您一點也不用擔心。請騎在我的背上,我帶您去。我是水母」

と、言いました。 

いつの間にか、ふたりんは海岸へ来ていました。そして、海へ入って行った女の人は、大きなクラゲになりました。  過了不久,兩人來到海岸邊。因此,女人進到海裡去,變成了一隻很大的水母。

「さあ、お乗りください」  「來,請騎上來吧」

そう言われて、男はこわごわと、クラゲの背中に乗りました。  如此說著,男子提心吊膽地騎在水母的背上。  (こわごわ  提心吊膽。)

クラゲは、男を背中に乗せて、海の中を行きながら、  水母載著男子,一邊往海裡去,

「きっと王さまは、あなたに、お礼に何か好きなものをあげようと言われるでしょう。そうしたら、わたしは別に何も欲しくはないけれども、あの床(とこ)の間(ま)に飾ってある聴き耳ずきんが欲しいと、おっしゃいなさい。そうしたら、ひとり娘の恩人だから、竜宮にひとつしかない [僅;只] 宝物だけれども、きっとあなたにくださいますよ」  「國王必定會問您,喜歡什麼東西做為謝禮吧。當那個時候,請您就這麼講吧,雖然我沒有別的想要的任何東西,就想要那個裝飾在壁龕上的聽得見的頭巾。當這麼做的時候,因為是女兒的恩人,雖然是龍宮裡僅有一個的寶物,必定會送給您的喔」

と、教えてくれました。  水母這麼告訴我。

聴き耳ずきんというのは、これをかぶると、虫でも鳥でも獣でも、木でも草花でも、生きているものすべての話が聞こえ、言葉の意味がわかるというたいへん便利な宝物です。   叫做聽得見的頭巾,戴在這裡之後,蟲啦、鳥啦、野獸啦、樹木啦花草啦、聽得見全部活著的東西說的話,知道語言的意思,是個相當方便的寶物。

竜宮に着くと、王さまは、ひとり娘が助けられたことをとても喜んで、男に何度もお礼を言いました。  到了龍宮之後,國王對救了他的女兒的事非常地歡喜,好幾次向男子致謝。

それから、たくさんの珍しいご馳走が出て来ました。お酒もありました。いろいろな魚が出て来て、歌を歌ったり、踊りを踊ったりしました。  然後,拿出來許多稀奇的食物來請客。也有酒。各式各樣的魚出來,唱歌、跳舞。

そうして、その男は、長い間、竜宮に降りました。  如此一來,那個男子,來到龍宮待了一段長時間。

けれど、もう帰るというとき、竜宮の王さまは、    但是,已經說要回去時,龍宮的國王說,

「何か、あなたにお礼を差し上げたいと思うのですが、好きなものを言ってください」  「任何東西,我想送給你做為謝禮,請說你喜歡的東西」

と言いました。  這麼說。

「わたしは、何も他に望(のぞ)むものはありませんが、床の間にあるあの聴き耳ずきんというものを、いただきたいと思います」  「我沒有任何其他想要的東西,請給我在壁龕上的聽得見的頭巾」

と、男はクラゲに教えられたとおりに、答えました。  男子按著水母告訴他的回答。

「あれは、竜宮にふたつない宝物です。けれども、あなたはうちのひとり娘の恩人ですから、欲しいとおっしゃるなら差し上げましょう」  「那是龍宮裡獨一無二的寶物。雖然如此,因為你是我的女兒的恩人,你講的想要的東西,就送給你吧」  (おっしゃる  <他動五>(おっしゃって)「說」「講」的尊敬語。)

と言って、王さまは聴き耳ずきんを、男にくれました。  這麼說著,國王送給男子,聽得見的頭巾。

男は聴き耳ずきんをもらって、またクラゲの背中に乗せられて、もとの海辺へ帰って来ました。そうして、クラゲと別れて、海辺にひとり残って座っていました。  男子得到聽得見的頭巾後,又再騎在水母的背上,又回到了原本的海邊。這樣一來,就和水母分別了,留下獨自一人坐在海邊。

すると、向こうの木の枝で、数羽のスズメがチュソチュソと鳴いています。  然後,面向樹枝的地方,有幾隻麻雀啾啾地叫著。

その男は、  那個男子說,

「そうだ。あのスズメで、ひとつ試してみよう」  「對了,用這個麻雀,試一次看看吧。」

と思いついて、聴き耳ずきんを頭にかぶって見ました。  正想著,在頭上戴了聽得見的頭巾看看。

すると、どうでしょう。ふしぎに、スズメの話していることが分かります。  於是,如何了呢。不可思議地,聽見了麻雀正在說的話。

「人間というものは、利(り)口(こう)なようでいて、実は何もわかっちゃいないもんだね。今、おれたちが泊まっている木下に、細い川があるだろう。その流れの真ん中に、石が一つ見える。人間は川を渡るとき、みんな、その石を踏んで渡るんだ。けれど、その石は黄(おう)金(ごん)なんだ」  「人類這種東西,只有一張會說的嘴,實際上什麼事情也不知道。現在,我們正棲息的樹木下面,有一條小河吧。在那個水流的當中,看到有一個石頭。人類在渡河時,每個人都踏著石頭渡過。但那個石頭是黃金啊」

「黄金って、人間の誰もが欲しがる、あの黄金かい」  「黃金,是任何人類都想要的,那個黃金嗎?」

そうなんだ。それに気がつかないで、人間たちは、もうずっと、黄金を踏み付けているってわけだ」  「就是啊。一不注意,人們就已經一直,正踩著黃金的意思吧」

といって、笑っています。  說著,笑了起來。

男は、不思議なことを言うものだと思って、川に行ってみると、スズメの話のとおりに、流れの中に石が一つありました。  男子覺得說了不可思議的事,走到河邊看看時,按照麻雀的話,在流水的當中有一個石頭。

その石を取り上げて、苔(こけ)を洗い落としてみるとなんとほんとうにピカピカ光(ひか)る黄金の塊(かたまり)でした。  拿起那個石頭,當洗掉青苔後,居然真的是,閃耀著光芒的金塊。

「これは、おどろいた。こんなに良いことは、めったにあることじゃない」  「這真是驚奇啊。這樣的好事,真是不常看到啊!」  (めった~ない  不常見。)

と、黄金をふところ)入れました。  說著,把黃金放入懷裡去。

しばらく歩いていくと、高い松の木の上で、数羽のカラスがカアカアトと鳴いていました。男また、聴き耳ずきんをかぶって、カラスたちの話を聞いてみました。  走了一會兒之後,在高高的松樹上,有幾隻烏鴉在叫。男子戴起聽得見的頭巾,聽見烏鴉們的談話。

「人間なんて、バカなものだよ」  「什麼人類啊,真是笨蛋喔」

と、カラスは呆(あき)れたように行っています。  說著,像個呆子一樣走著。

あれだけたくさんの、名前の知られた医者が集まっていて、殿さまのひとり娘の病気を、治せないでいるよ」  「光在這裡聚集了很很多的名醫,也不能治好王爺女兒的病喔。」

「あれは、薬では治らない。病気のもとが、医者たちには、分かっていないんだ」  「那是無法用藥醫治的。生病的原因,醫生們不知道啊」

「御殿の屋根を見れば、分かることなんだ。あそこへカヤをふいたときに、間違ってカヤの中にヘビをふきこんでしまったんだ。それさえ解(ほど)いて、ヘビに食べ物をやって助けてやれば、あのお嬢さんの病気はすぐに治るのだがね」  「如果看見宅第的屋頂的話,就會知道了。在那邊蓋上茅草時,搞錯了把蛇蓋在茅草的裡面。只要解開,幫助蛇給牠食物的話,小姐的病就會立刻治好了」  (カヤ  蓋在屋頂上的茅草。)

と、言っているのが聞こえました。  正說著聽見的話。

「これは、良いことを聞いた」  「聽到了這個好事」

と思いって、男は殿さまの屋敷に歩いて行きました。行って見ると、門の前に立て札(さつ)が立っていました。  男子覺得,向著王爺的宅第走去。走到時看見了,在門的前面立著一個告示牌。

当(とう)家(け)の一人娘はわけの分からない病気で長いこと苦しんでいるこの病気を治した者には望みどおりのほうびをやるものなり  這個家裡的一個女兒,因為不知名的疾病,正受著長期的痛苦,如果能治好這個疾病的人,按照你所希望的獎賞給你東西。

これを読んだ聴き耳の男は、殿さまの屋敷に入って行って、  這個讀了的聽得見的男子,走進入王爺的宅第去,

「わたしが、お嬢さまのご病気を治してあげましょう」  「請讓我治好小姐的病吧」

と、申し入れました。  這麼建議說。

けれども、そこにいたおおぜいの医者たちは、  雖然,在這裡有這麼多醫生們,

「自分たちでさえ治せない病気を、こんな汚い男なんで治せるものか」  「連我們都治不好的疾病,你這個骯髒的男子能治得好嗎?」

と言って笑いました。  說著笑了起來。

殿さまは、それでも、  王爺則說,

「大事なひとり娘のことだ、誰でも構わない、見てもらってくれ」  「這是我女兒的大事,無論是誰都讓他看看」

と言いました。  這麼說著。

男は部屋に入って行って、お嬢さまの病気を見るようなふりをしました。  男子走入房間去,裝做看過小姐的病了。  (ふり  [振り]  1. 振動;擺動  2. 樣子;狀態、ふりをする  做樣子;裝做。)

それから、殿さまに、  然後,對王爺說,

「これは、ただの病気ではありません。当家で、何か生き物が苦しんでいて、その祟(たた)りで [原因] 起こった病気です。それを助ければ、お嬢さまの病気は治ります」  「這個不是平常的疾病。在這個房子裡,有什麼生物正受著痛苦,因那個作祟引起了疾病。如果幫助牠的話,小姐的病就會治好了」

と言いました。  說著。

それから、もっともらしく、  然後,好像理所當然的樣子,  (もっとも  1. 合理;正當;理所當然  2. 可是;但是;不過、もっともらしい   理所當然的樣子。)

「屋根だ。屋根の上で、ヘビが苦しんでいるに違いない」  「屋頂。在屋頂上,有蛇正痛苦著,不會錯的」

と、カラスの言ったとおりのことを話しました。  按照烏鴉說的話說了。

殿さまは、家来どもに言いつけてさっそく屋根を解いて見ました。  王爺吩吋家臣,立刻去解開屋頂看看。

すると、その男の言うとおり、ヘビが死にそうになって苦しんでいました。  於是,按照這個男子說的,蛇就像死掉了那般痛苦著。

すぐに助け出して、米(こめ)粒(つぶ)を食べさせました。  馬上幫牠出來,餵牠米粒吃。

すると、ヘビは元気づいて、一(いっ)尺(しゃく)ばかりはうようになりました。  於是,蛇恢復了精神,光只是爬了一尺遠。

すると、お嬢さんも起きて座るようになりました。  於是,小姐也坐了起來。

また米粒をやると、こんど二尺くらいはうようになりました。  再餵給米粒後,這次爬了二尺遠。

お嬢さんもまた、立てるようになりました。  小姐也站了起來。

それからヘビはすっかり元気づいて、どこかへスルスルと行ってしまいました。  所以蛇完全恢復精神後,在哪裡滑來滑去走著。

するとお嬢さんの病気も、すっかり治ってしまいました。  於是小姐的病,也完全地治好了。

殿さまは、大喜びで、  王爺歡喜地,

ぜひ、うちの婿(むこ)になってくれ」  「無論如何,要成為我的女婿」

と、男に言いました。  男子這樣說。

男は、とうとうそこの婿になってしまいました。そして、後(のち)には殿さまになり、幸せに暮らしたと言うことです。   男子終於成為這裡的女婿。所以,後來成為王爺,據說過著幸福的生活。

そしまい!  完了!


(這個故事其實挺簡單的,但有些句子不曾看過,也有一些新的語彙,讀了這麼久的日文,總是弄不懂「接續詞」,日文裡有太多這種接續詞,それから、そうした、すると,因為看來都很像,講中文的時候,並不會太強調這種接續詞,在每一段上都加上,於是、然後、因為、所以、因此……,文章看起來就有非常多的贅語,但就像孫老師說的那樣,但這是在學習語言,並不是在翻譯小說,所以必需把這些贅語提出來。

另外就是仍然記不住那麼多的文法,這個故事裡的文法都是看過的,但要一條一條記下來,還真是不容易的事。要記住文法,就得連詞性一起記,當然還得記清楚每個文法的慣用法,這才是真正困難的地方。)

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