一年何回か、宙に浮いてしまう時間がある。 一年有那麼幾次,有時間飄浮在空中。
(※這是指精神層面的飄浮,不是靈異事件喔!)
旅の途中で、乗り合わせの悪い列車やバスを待っているときとか、誰かと待ち合わせをして、約束の場所に [目的] 計算したより早く着いてしまったときが、それで、どう使ったら良いのかと考え込んでしまう時間のことだ。 在旅行的途中,一起搭乘的列車故障和等待巴士時,和誰一起等待,去到約定的地方,比計算的時間太早到達時,於是,沉思著該如何好好利用時間。 (考え込む 沉思。) (※日本人會不會太過認真了,連一絲絲空檔也要沉思。)
そんなとき、私は当てもなく町を歩く。 那個時候,我沒有目的地在街上走著。
駅前から伸(の)びている商店街を [範圍] ぶらついて、みやげ物を冷やかしたり、人の気(け)配(はい)もない裏路地に迷い込んでみたりするのだ。 在從車站前延伸出去的商店街閒逛著,冷清的土產店,也沒有人的樣子,不知所措地走進後面的小巷去看看。 (ぶらつく <自動五>(ぶらついて)信步而行;閒逛;溜達、うら [裏] 後面;裡面;反面、ろじ [路地] 小巷;胡同。)
店を見たのは、神奈川県の新聞社で [場所] 講演を頼まれたときだった。 看了商店後,在神奈川縣的報紙公司,被請求去演講的時候。
日時がはっきりと決まっていて、たくさんの人が集まる講演会に遅れて行くわけにはいかない。たっぷりと時間をとって出かけた私は、四十分も早く着いてしまった。 日期和時間清楚地決定了,由於演講會不能遲到,所以集合了許多人。有充分的時間外出的我,也早了四十分鐘到達。
「散歩でもするほかない」 「只能散步了」 (ほかない 沒有其它。)
会場のありかを確かめると、ぶらぶらと歩いた。 確認會場在何處之後,悠閒地走著。 (ありか [在り処] 在何處。)
始めて来た町だったけれど、知っているような感じがする。 雖然是初次來到這個城市,但卻感到好像很清楚的樣子。
駅を出るとロータリーがあり、銀行やデパートが立ち並んでいる光景は、日本のどこへ行っても変わらないのかもしれないと思った。 出了車站有個圓環,銀行和百貨公司站立並列的場景,我認為或許,甚至去到日本的任何地方也不會改變。 (ロータリー [rotary] 大通りなどの交差点の中央に設けた円形地帯,在大馬路上等的交差點的中央設計的圓形地帶。就像我們常說的「圓環」。)
春がきたばかりの日だった。 是春天到了的日子。
冷たさ [程度名詞] を吹くんでいるものの風は甘く優しい。 雖然有冷風吹來,但風是甜而溫柔的。 (<用言連體形> + ものの 雖然~但是。)
十時前の商店街はまだひっそりしていて、シャッター (shutter) を下ろしている店がほとんどだった。 十點前的商店街還靜悄悄地,大多數的商店正在降下鐵捲門。
ビルが並ぶ通りを過ぎると、道は急に細くなって、昔ながら [逆接] の雜貨屋やくだもの屋、パチンコ屋や飲み屋などが軒(のき)を連ねている。 通過大樓排列的大街時,道路突然變細了,雖然是以前的雜貨店和水果店、小鋼珠店和飲料店等,但一間間的屋頂連接了起來。
布地や毛糸や布団や衣料品をごたごたと置いた、流行遅れ見たいな店もあった。 布料、毛線、棉被、衣物用品雜亂地置放著,也有看起來是退了流行的商店。 (ごたごた 雜亂地;亂糟糟地。)
足を止めたのは、一戸建ての家の前だった。 腳步停了下來,在一戶獨棟的房子前。
平屋で、間(ま)口(ぐち)がやたらに広いことだけ [僅;只] が印象に残る建物である。 平房,正面的寬度只是過分地寬廣,殘留在印象中的建築物。 (やたら 胡亂;不分好歹;過分。)
それが店だと分かったのは、看板のせいだった。大売出しののぼりのようにひらひらと翻る看板で、へたくそな文字が書いてある。 多虧了看板,才知道那是個商店。就像大減價賣出的布條,啪啦啪啦地翻飛著的招牌,寫著拙劣的文字。 (へたくそ [下手くそ] 非常笨;拙劣。) (大売出しののぼりのように (?) 這是形容招牌的句子,但不知道要怎麼翻譯才恰當。繪本中畫的是一般在商店門口,在桿子上綁上布條,立在地上的那種。)
「朝風売ります」 「晨風專賣店」
「朝風を売るって?」 「賣晨風的嗎?」
わたしは首を傾(かし)げて、看板を確かめた。 我斜著頭,確認地看著招牌。
何回読んでも間違いではない。 無論讀了幾次都沒有錯。
朝風を売る店なのだ。 賣晨風的商店。
「風を売ることなんでできるんだろうか」 「賣風,居然有這樣的事嗎?」 (なんで~だろう <互相呼應> 含有驚訝與不確定的語氣。)
現実の世界から行き成り遠ざかったような気がして、わたしは店を覗(のぞ)いた。 感覺好像從現實的世界,突然地遠遠離開的樣子,我窺視著商店。 (いきなり [行き成り] 1. 突然;冷不防 2. 猛然;馬上就、とおざかる [遠ざかる] 1. 遠離;離去 2. 疏遠、気がする 覺得;好像;彷彿。)
入り口の引き戸は閉まっていたけれど、ガラスが嵌(は)めてあるところから中が見える。 雖然入口處的拉門正關著,但是從有嵌著玻璃的地方,可以看見裡面。
左右と奥にある棚(たな)は大きかった。 在內部的左右有很大的架子。
いくつもの袋が、天(てん)井(じょう)までぎっしりと並んでいる。 有許多的袋子,從天花板滿滿地排列著。
「五月の朝風」と書いた札がついているのは、薄(うす)緑(みどり)色の袋だった。 寫著有「五月的晨風」的牌子,淡綠色的袋子。
ばら色の袋には、「南の島のあけがたの風」と書いた札(ふだ)があり、青と灰色と黒の模(も)様(よう)がごたごたとついた袋は「嵐の前ぶれの朝の風」、金色の袋は「天使が生まれた朝の風」で、ミルク色の袋には「霧(きり)まじりの朝風、のどの病気をなおす」とある。 在玫瑰色的袋子,寫著「明亮的南島的風」牌子,藍、灰、黑色模樣,雜亂的袋子寫著「暴風雨前晃動的晨風」,金色的袋子上寫著「天使誕生的晨風」,乳白色的袋子上寫著「混雜著霧氣的晨風、治療喉嚨的病」。
「牧(ぼく)場(じょう)を渡(わた)る朝のそよ風」は羊(ひつじ)と牛の鳴き声つきだった。 「早晨穿越過牧場的微風」是羊和牛的叫聲。
袋はどれも、はちきれそうに膨らんでいたが、重いのか軽いのかは見(けん)当(とう)がつかない。入って確かめたかったけれど、引き戸を叩いても返(へん)事(じ)はなく、しばらく待ってみても店の人は姿を見せない。 那些袋子,好像被填滿了那般的膨漲起來,但是輕是重卻無法預料。雖然想進去確認,但是即使敲了敲了拉門也沒有回答,儘管等待了許久也看不到人影。
「真夏の、いたたまれないほど暑い午後に、北極の朝風に吹かれたらすっきりするだろうな」 「盛夏, 在無法忍受的酷暑的午後,如果被北極來的晨風一吹,就會清醒的吧」
こみ上げてくる微笑を快いと感じながら [逆接]、わたしは仕事先に戻(もど)った。 雖然感到愉快地微笑往上衝,但是回到了我先前的工作。
それから何週間かが過ぎて、友人の誕生日を祝(いわ)うパーティに招(まね)かれた。同じ年ごろで仕事を待っている女だけが集まる気(き)兼(が)ねのない会だったけれど、プレゼントには気を使った。 然後過了幾週的時間,被邀約去慶祝友人的生日派對。雖然以同齡左右,只是集合了正等待工作的女子,不用顧慮太多的聚會,但也要留神禮物。 (きがね [気兼ね] (~する) 多心;顧慮;客氣、気を使う 留神;留意 (?找不到意思)。)
友人には、頼もしくてハンサムな夫がいる。 朋友有個可靠又英俊的丈夫。
無邪気で健康な男の子と女の子もいるし、家も車も宝石も持っている。 天真爛漫地,健康的男子和女子,擁有房子、車子和寶石。
ささやかに童話を書いて暮らしているわたしが何を贈っても、目を見張って、飛び上がるほどの喜びを味わってはもらえない。 像童話寫的簡單的生活,我要送什麼東西呢,目不轉睛、跳起來的程度,不曾體驗過的興奮。 (あじわう [味わう] <他動五>(あじわって)1. 品嚐;品味 2. 玩味;鑑賞;體驗 <名> 味わい。)
でもわたしは、親(しん)友(ゆう)を驚(おどろ)かせたかったし、幸福にもさせたかった。 不過我想讓親密的朋友感到吃驚,也要讓她感到幸福。
「ハワイ島の朝の風!」 「夏威夷的晨風」
思いつくとすぐに、私は出かけた。 立刻想到,我就出門了。
「夢のような幸せって、あるものなのよね。新婚旅行がそれだった。彼とふたりでの旅ももちろん素敵だったけど、ハワイ島の朝風が忘れられないの。新鮮で花の香りがして、せつないくらいにさわやかだった」 「像夢那樣的幸福,有這樣的東西。那是新婚旅行。兩人一起旅行當然也很棒,但是不會忘了夏威夷的晨風。感覺到新鮮的花香,難受的涼爽。 (せつない 難過;苦悶、さわやか 清爽;爽快;涼爽。) (※什麼是難受的涼爽呢?有點不能理解吔!難道是空氣太過涼爽,會覺得不舒服嗎?是不是會因為過敏打噴嚏呢?)
友人も夫も、仕事に恵まれた分だけ忙しい。 朋友和她的老公,受惠於 (得天獨厚地) 工作上,只有忙碌的分。
ハワイ島まで行く時間はとても取れないのだ。 平常連去夏威夷的時間也沒有。
「朝の風が、彼女を幸せにしてくれる」 「晨風,會讓她幸福」
大きな棚(たな)には、ハワイ島の朝風もあるに決まっていると思った。 在那麼大的架子上,我認定也有夏威夷的晨風。
わたしは、見(み)覚(おぼ)えのある通りを歩いた。 我在認識的大街上走著。
けれど、一戸建てのあの店はあとかたもなかったのだ。 但是,那家獨棟的商店,卻毫無蹤影。 (あとかたもない [跡形もない] 毫無蹤影;毫無蹤跡。)
「世界中の朝風を集め過ぎたため、吹き飛ばされてしまいました。店と商品を回収してくるまで、しばらく修業させていただきます」 因為收集過多全世界的晨風被吹散了。在收回商店和商品之前,暫時歇業了吧」
店があった場所には、新しい立て札がぽつんと残っていた。在商店的所在地,只單單留下一個新的立牌。
(我挺喜歡這個作者的繪本風格,這個故事跟之前另一個故事有一樣的氛圍,還記得另一個故事嗎?有位因工作晚歸的女子,在路旁發現了一家洗衣店,於是把衣服送去洗,但那家洗衣店卻一直沒有營業,原來是一家深夜的洗衣店,開店的時間沒有一定,但一定是在深夜。直到某一天,女子又因為工作晚歸,才終於把衣服拿去送洗,原來這是一家非常神奇的洗衣店,可以選擇在星之夜或月之夜送洗衣服,在月之夜洗的衣服會有月亮的味道,而在星之夜洗的衣服則會閃耀著星星的光芒。多麼神奇又富於想像的故事。還有在故事當中的驚喜,本來女子以為下雨的日子,必定無法把衣服晾曬在星空之下,沒想到老閭娘竟拿出吸塵器,把雨雲都吸收了起來,於是洗好的衣服就可以吸收星星的光輝了。 (很好玩的故事,既新奇又有趣,想像著充滿月之香氣,是怎樣的一種香味呢?還有在洋裝上閃閃發光的星塵,那是不是給星星公主穿的洋裝呢?故事當中充滿了浪漫,也為寂寞工作的單身女子,添上了許多想像與絢爛色彩。)
雖然這個故事有點太過簡單,本來以為會有另外的發展,卻沒想到就在這裡劃下了句點,不免令人感到有一絲絲落寞,但也讓人更自由地想像,這會不會只是一場夢呢,憑空想像出來的白日夢。)
旅の途中で、乗り合わせの悪い列車やバスを待っているときとか、誰かと待ち合わせをして、約束の場所に [目的] 計算したより早く着いてしまったときが、それで、どう使ったら良いのかと考え込んでしまう時間のことだ。 在旅行的途中,一起搭乘的列車故障和等待巴士時,和誰一起等待,去到約定的地方,比計算的時間太早到達時,於是,沉思著該如何好好利用時間。 (考え込む 沉思。) (※日本人會不會太過認真了,連一絲絲空檔也要沉思。)
そんなとき、私は当てもなく町を歩く。 那個時候,我沒有目的地在街上走著。
駅前から伸(の)びている商店街を [範圍] ぶらついて、みやげ物を冷やかしたり、人の気(け)配(はい)もない裏路地に迷い込んでみたりするのだ。 在從車站前延伸出去的商店街閒逛著,冷清的土產店,也沒有人的樣子,不知所措地走進後面的小巷去看看。 (ぶらつく <自動五>(ぶらついて)信步而行;閒逛;溜達、うら [裏] 後面;裡面;反面、ろじ [路地] 小巷;胡同。)
店を見たのは、神奈川県の新聞社で [場所] 講演を頼まれたときだった。 看了商店後,在神奈川縣的報紙公司,被請求去演講的時候。
日時がはっきりと決まっていて、たくさんの人が集まる講演会に遅れて行くわけにはいかない。たっぷりと時間をとって出かけた私は、四十分も早く着いてしまった。 日期和時間清楚地決定了,由於演講會不能遲到,所以集合了許多人。有充分的時間外出的我,也早了四十分鐘到達。
「散歩でもするほかない」 「只能散步了」 (ほかない 沒有其它。)
会場のありかを確かめると、ぶらぶらと歩いた。 確認會場在何處之後,悠閒地走著。 (ありか [在り処] 在何處。)
始めて来た町だったけれど、知っているような感じがする。 雖然是初次來到這個城市,但卻感到好像很清楚的樣子。
駅を出るとロータリーがあり、銀行やデパートが立ち並んでいる光景は、日本のどこへ行っても変わらないのかもしれないと思った。 出了車站有個圓環,銀行和百貨公司站立並列的場景,我認為或許,甚至去到日本的任何地方也不會改變。 (ロータリー [rotary] 大通りなどの交差点の中央に設けた円形地帯,在大馬路上等的交差點的中央設計的圓形地帶。就像我們常說的「圓環」。)
春がきたばかりの日だった。 是春天到了的日子。
冷たさ [程度名詞] を吹くんでいるものの風は甘く優しい。 雖然有冷風吹來,但風是甜而溫柔的。 (<用言連體形> + ものの 雖然~但是。)
十時前の商店街はまだひっそりしていて、シャッター (shutter) を下ろしている店がほとんどだった。 十點前的商店街還靜悄悄地,大多數的商店正在降下鐵捲門。
ビルが並ぶ通りを過ぎると、道は急に細くなって、昔ながら [逆接] の雜貨屋やくだもの屋、パチンコ屋や飲み屋などが軒(のき)を連ねている。 通過大樓排列的大街時,道路突然變細了,雖然是以前的雜貨店和水果店、小鋼珠店和飲料店等,但一間間的屋頂連接了起來。
布地や毛糸や布団や衣料品をごたごたと置いた、流行遅れ見たいな店もあった。 布料、毛線、棉被、衣物用品雜亂地置放著,也有看起來是退了流行的商店。 (ごたごた 雜亂地;亂糟糟地。)
足を止めたのは、一戸建ての家の前だった。 腳步停了下來,在一戶獨棟的房子前。
平屋で、間(ま)口(ぐち)がやたらに広いことだけ [僅;只] が印象に残る建物である。 平房,正面的寬度只是過分地寬廣,殘留在印象中的建築物。 (やたら 胡亂;不分好歹;過分。)
それが店だと分かったのは、看板のせいだった。大売出しののぼりのようにひらひらと翻る看板で、へたくそな文字が書いてある。 多虧了看板,才知道那是個商店。就像大減價賣出的布條,啪啦啪啦地翻飛著的招牌,寫著拙劣的文字。 (へたくそ [下手くそ] 非常笨;拙劣。) (大売出しののぼりのように (?) 這是形容招牌的句子,但不知道要怎麼翻譯才恰當。繪本中畫的是一般在商店門口,在桿子上綁上布條,立在地上的那種。)
「朝風売ります」 「晨風專賣店」
「朝風を売るって?」 「賣晨風的嗎?」
わたしは首を傾(かし)げて、看板を確かめた。 我斜著頭,確認地看著招牌。
何回読んでも間違いではない。 無論讀了幾次都沒有錯。
朝風を売る店なのだ。 賣晨風的商店。
「風を売ることなんでできるんだろうか」 「賣風,居然有這樣的事嗎?」 (なんで~だろう <互相呼應> 含有驚訝與不確定的語氣。)
現実の世界から行き成り遠ざかったような気がして、わたしは店を覗(のぞ)いた。 感覺好像從現實的世界,突然地遠遠離開的樣子,我窺視著商店。 (いきなり [行き成り] 1. 突然;冷不防 2. 猛然;馬上就、とおざかる [遠ざかる] 1. 遠離;離去 2. 疏遠、気がする 覺得;好像;彷彿。)
入り口の引き戸は閉まっていたけれど、ガラスが嵌(は)めてあるところから中が見える。 雖然入口處的拉門正關著,但是從有嵌著玻璃的地方,可以看見裡面。
左右と奥にある棚(たな)は大きかった。 在內部的左右有很大的架子。
いくつもの袋が、天(てん)井(じょう)までぎっしりと並んでいる。 有許多的袋子,從天花板滿滿地排列著。
「五月の朝風」と書いた札がついているのは、薄(うす)緑(みどり)色の袋だった。 寫著有「五月的晨風」的牌子,淡綠色的袋子。
ばら色の袋には、「南の島のあけがたの風」と書いた札(ふだ)があり、青と灰色と黒の模(も)様(よう)がごたごたとついた袋は「嵐の前ぶれの朝の風」、金色の袋は「天使が生まれた朝の風」で、ミルク色の袋には「霧(きり)まじりの朝風、のどの病気をなおす」とある。 在玫瑰色的袋子,寫著「明亮的南島的風」牌子,藍、灰、黑色模樣,雜亂的袋子寫著「暴風雨前晃動的晨風」,金色的袋子上寫著「天使誕生的晨風」,乳白色的袋子上寫著「混雜著霧氣的晨風、治療喉嚨的病」。
「牧(ぼく)場(じょう)を渡(わた)る朝のそよ風」は羊(ひつじ)と牛の鳴き声つきだった。 「早晨穿越過牧場的微風」是羊和牛的叫聲。
袋はどれも、はちきれそうに膨らんでいたが、重いのか軽いのかは見(けん)当(とう)がつかない。入って確かめたかったけれど、引き戸を叩いても返(へん)事(じ)はなく、しばらく待ってみても店の人は姿を見せない。 那些袋子,好像被填滿了那般的膨漲起來,但是輕是重卻無法預料。雖然想進去確認,但是即使敲了敲了拉門也沒有回答,儘管等待了許久也看不到人影。
「真夏の、いたたまれないほど暑い午後に、北極の朝風に吹かれたらすっきりするだろうな」 「盛夏, 在無法忍受的酷暑的午後,如果被北極來的晨風一吹,就會清醒的吧」
こみ上げてくる微笑を快いと感じながら [逆接]、わたしは仕事先に戻(もど)った。 雖然感到愉快地微笑往上衝,但是回到了我先前的工作。
それから何週間かが過ぎて、友人の誕生日を祝(いわ)うパーティに招(まね)かれた。同じ年ごろで仕事を待っている女だけが集まる気(き)兼(が)ねのない会だったけれど、プレゼントには気を使った。 然後過了幾週的時間,被邀約去慶祝友人的生日派對。雖然以同齡左右,只是集合了正等待工作的女子,不用顧慮太多的聚會,但也要留神禮物。 (きがね [気兼ね] (~する) 多心;顧慮;客氣、気を使う 留神;留意 (?找不到意思)。)
友人には、頼もしくてハンサムな夫がいる。 朋友有個可靠又英俊的丈夫。
無邪気で健康な男の子と女の子もいるし、家も車も宝石も持っている。 天真爛漫地,健康的男子和女子,擁有房子、車子和寶石。
ささやかに童話を書いて暮らしているわたしが何を贈っても、目を見張って、飛び上がるほどの喜びを味わってはもらえない。 像童話寫的簡單的生活,我要送什麼東西呢,目不轉睛、跳起來的程度,不曾體驗過的興奮。 (あじわう [味わう] <他動五>(あじわって)1. 品嚐;品味 2. 玩味;鑑賞;體驗 <名> 味わい。)
でもわたしは、親(しん)友(ゆう)を驚(おどろ)かせたかったし、幸福にもさせたかった。 不過我想讓親密的朋友感到吃驚,也要讓她感到幸福。
「ハワイ島の朝の風!」 「夏威夷的晨風」
思いつくとすぐに、私は出かけた。 立刻想到,我就出門了。
「夢のような幸せって、あるものなのよね。新婚旅行がそれだった。彼とふたりでの旅ももちろん素敵だったけど、ハワイ島の朝風が忘れられないの。新鮮で花の香りがして、せつないくらいにさわやかだった」 「像夢那樣的幸福,有這樣的東西。那是新婚旅行。兩人一起旅行當然也很棒,但是不會忘了夏威夷的晨風。感覺到新鮮的花香,難受的涼爽。 (せつない 難過;苦悶、さわやか 清爽;爽快;涼爽。) (※什麼是難受的涼爽呢?有點不能理解吔!難道是空氣太過涼爽,會覺得不舒服嗎?是不是會因為過敏打噴嚏呢?)
友人も夫も、仕事に恵まれた分だけ忙しい。 朋友和她的老公,受惠於 (得天獨厚地) 工作上,只有忙碌的分。
ハワイ島まで行く時間はとても取れないのだ。 平常連去夏威夷的時間也沒有。
「朝の風が、彼女を幸せにしてくれる」 「晨風,會讓她幸福」
大きな棚(たな)には、ハワイ島の朝風もあるに決まっていると思った。 在那麼大的架子上,我認定也有夏威夷的晨風。
わたしは、見(み)覚(おぼ)えのある通りを歩いた。 我在認識的大街上走著。
けれど、一戸建てのあの店はあとかたもなかったのだ。 但是,那家獨棟的商店,卻毫無蹤影。 (あとかたもない [跡形もない] 毫無蹤影;毫無蹤跡。)
「世界中の朝風を集め過ぎたため、吹き飛ばされてしまいました。店と商品を回収してくるまで、しばらく修業させていただきます」 因為收集過多全世界的晨風被吹散了。在收回商店和商品之前,暫時歇業了吧」
店があった場所には、新しい立て札がぽつんと残っていた。在商店的所在地,只單單留下一個新的立牌。
(我挺喜歡這個作者的繪本風格,這個故事跟之前另一個故事有一樣的氛圍,還記得另一個故事嗎?有位因工作晚歸的女子,在路旁發現了一家洗衣店,於是把衣服送去洗,但那家洗衣店卻一直沒有營業,原來是一家深夜的洗衣店,開店的時間沒有一定,但一定是在深夜。直到某一天,女子又因為工作晚歸,才終於把衣服拿去送洗,原來這是一家非常神奇的洗衣店,可以選擇在星之夜或月之夜送洗衣服,在月之夜洗的衣服會有月亮的味道,而在星之夜洗的衣服則會閃耀著星星的光芒。多麼神奇又富於想像的故事。還有在故事當中的驚喜,本來女子以為下雨的日子,必定無法把衣服晾曬在星空之下,沒想到老閭娘竟拿出吸塵器,把雨雲都吸收了起來,於是洗好的衣服就可以吸收星星的光輝了。 (很好玩的故事,既新奇又有趣,想像著充滿月之香氣,是怎樣的一種香味呢?還有在洋裝上閃閃發光的星塵,那是不是給星星公主穿的洋裝呢?故事當中充滿了浪漫,也為寂寞工作的單身女子,添上了許多想像與絢爛色彩。)
雖然這個故事有點太過簡單,本來以為會有另外的發展,卻沒想到就在這裡劃下了句點,不免令人感到有一絲絲落寞,但也讓人更自由地想像,這會不會只是一場夢呢,憑空想像出來的白日夢。)
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